金融マン生活

海外大学院での話や普段思っていることなどを書いていこうかなと思います

コンサルティングファームの選考が合理的な理由

コンサルティングファームや金融系の採用選考で必ずといっていいほど出てくるのがケース面接。

候補者の論理思考力や計算能力、地頭などをこのケース面接で図るらしい。

 

ケース面接は大きく2種類に分けることが出来る。一つは俗にフェルミ推定と呼ばれる数字の推定である。例えば日本全国の電柱の数やシカゴのピアノ調律師の数などの数字を推定することを求められる。

2つめはある架空の飲食店やホテルなどを題材にし、売り上げを上げるにはどうすれば良いか、利益をどうやって増やすかという具体的な対策についてのプレゼンテーションをするものである。

この2種類のケース面接を通してコンサルティングファーム外資金融は候補者の能力を見極めていく。

 

ここからは自分が実際にケース面接を何回も経験して感じたコンサルティングファーム外資金融の採用選考が合理的な理由について述べたいと思う。

 

 

多くの一般事業会社の場合、新卒の採用選考では一次面接で主な志望理由、長所や短所、大学時代に頑張ったことなどが主なテーマとなることが多い。そのため多くの学生は志望理由を頭から捻り出したりウケをよくするために大学時代のエピソードの捏造などに多くの時間を取られる。一方で採用側もありきたりな志望理由やエピソード、長所アピールにうんざりとさせられる。結果として双方にとってあまり実りのない不毛な選考プロセスとなってしまう。

 

コンサルティングファーム外資金融では多くの場合一次や二次面接では志望理由や大学時代のエピソードを聞かれることはない。代わりに最初からケース面接で容赦なく論理思考力や計算能力、地頭の良さを見られる。これはつまり採用する側にとって志望理由や長所などは大した問題ではなく採用に関してまず一番重要なのは候補者の思考能力、計算能力であるということが出来る。極端な言い方であるが採用側にとってケース面接を突破できない候補者はどんなに素晴らしい志望理由やエピソードを持っていたとしてもそれ以上面接する価値はないのである。逆にいえばケース面接を突破できればその候補者がこれまでどんな学生生活を送っていたとしても関係なく、採用側にとっては、面接する価値のある候補者ということなのである。

 

これは採用される側にとっても非常に合理的だと思う。候補者はまずケース面接の準備を通して自分の思考計算能力を高めることに集中すればよい。結果としてケース面接を突破できなくても、他の面接試験にくらべて不合格の原因ははっきりとしているから対策も練りやすい。ウケのために志望理由や大学時代のエピソードを練り直すという不毛な作業をする必要はない。

 

結果として、コンサルティングファーム外資金融の選考を受けると自分の思考計算能力を高めることが出来、同世代の高い地頭の持ち主との会話を通じて選考そのものを有意義なものにすることが出来る。また仮に外コン、外銀から内定を得ることが出来なくても、その選考プロセスで鍛えた思考計算能力は必ず他社の選考面接で活かせるはずだ。

 

以上が、ざっくりと私がコンサルティングファームの選考が合理的であると思う理由である。